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感謝と絆
-信頼の60周年-
| MESSAGE |
創立60周年の感謝の心を大切に
公益財団法人 名古屋市小規模事業金融公社
理事長 水野 裕之

    昭和36年4月に名古屋市小規模事業金融公社として創立された当公社は、おかげをもちまして本年で60周年を迎えることができました。昭和40年4月に「財団法人」の設立許可を、平成23年4月には「公益財団法人」の認定を頂くことができ、公益財団法人名古屋市小規模事業金融公社として今日に至っております。

    これもひとえにお客様と名古屋市はじめ関係各位の多大なご支援ご指導の賜物であると心より感謝申し上げますとともに、公社を導いてこられました諸先輩のご尽力に対し、敬意を表する次第でございます。

    設立当初には融資限度額30万円の一般資金融資だけであった融資制度も、逐次その内容の充実に努め、現在では、融資限度額2000万円(通常資金)の経営活性化資金を始め、創業支援、ものづくり設備導入、商店街活性化の4つの融資制度となり、本年4月には新たに成長応援資金を創設いたしました。

    顧みますと、高度成長期に小規模事業者の資金需要に応えるため名古屋市の出捐により設立されて以来、オイルショック、バブル経済とその崩壊、世界金融危機など、経済の大きな変動がございました。そして最近では、昨年発生した新型コロナウイルス感染症が、社会全体に大きな影響を与えており、この状況はいましばらく継続することが予想されます。 厳しい経済環境下におかれます小規模事業者の方々に対しまして、創立60周年の感謝の心を大切に、役職員一同「がんばる企業を応援します」をモットーとして、一層お役に立つ経営支援に努めてまいります。

    関係各位には、今後ともより一層のご支援ご指導を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶といたします。

| PHILOSOPHY |
金融公社は
“頑張る企業を応援します”
金融公社は、小規模事業者等に対する金融・経営相談を行うとともに、
他より事業資金を調達することが困難な小規模事業者等に対しては貸付等を行い、
もってその経営の改善、合理化及び活性化を図るなど、経営を総合的に支援することにより、
名古屋市内全域における商工業の振興に寄与することを目的とする。
| LOAN SYSTEM |
融資制度のごあんない
経営活性化資金
事業に必要な資金をお考えの方に
通常資金
融資金額 1事業者2,000万円以内
返済期間 運転・設備10年以内
返済方法 月賦払(12か月以内の据置可)
連帯保証人 1人以上(法人の場合は、代表者の他に1人以上)
不動産等担保融資
融資金額 1事業者5,000万円以内
返済期間 運転10年以内 設備15年以内
返済方法 月賦払(12か月以内の据置可)
連帯保証人 原則法人代表者以外は不要
連携サポート資金
融資金額 1事業者1,000万円以内
返済期間 運転・設備5年以内
返済方法 月賦払(据置不可)
連帯保証人 原則法人代表者以外は不要
※保証機関の保証付融資
創業・事業展開支援資金
事業の創業、多角化、転換に必要な資金をお考えの方に
融資金額 1事業者 2,000 万円以内(ただし、必要総資金の90%以内)
返済期間 運転7年以内 設備10年以内
返済方法 月賦払(12か月以内の据置可)
連帯保証人 1人以上(法人の場合は、代表者の他に1人以上)
ものづくり設備導入資金
ものづくり産業の用に供する機械・設備の導入をお考えの方に
融資金額 1事業者5,000万円以内(ただし、特別資金の融資残高を含む
返済期間 設備10年以内
返済方法 月賦払(12か月以内の据置可)
連帯保証人 1人以上(法人の場合は、代表者の他に1人以上)
※不動産等担保をご提供いただける場合は、原則法人代表者以外は不要
特別資金(無利子)
融資金額 1事業者2,000万円以内 (ただし、対象設備購入額の2分の1以内
返済期間 設備5年以内
返済方法 月賦払(12か月以内の据置可)
連帯保証人 1人以上(法人の場合は、代表者の他に1人以上)
※不動産等担保をご提供いただける場合は、原則法人代表者以外は不要
商店街活性化促進資金
活気と魅力ある商店街づくりをお考えの方に
融資金額 1団体1億円以内
返済期間 運転5年以内 設備10年以内
返済方法 月賦払(12か月以内の据置可)
連帯保証人 原則代表理事
成長応援資金
民間金融機関以外からの資金調達をお考えの方に
融資金額 1事業者300万 円以内
※小規模企業者の方が対象になります
返済期間 運転3年以内
返済方法 月賦払(12か月以内の据置可)
連帯保証人 原則法人代表者以外は不要
※令和3年4月1 日から開始
| VOICE |
お客様の声
「先のある会社」を
考え続けるビジネス
本間 忠樹さん
有限会社本間商会

1973(昭和48)年創業、非常に歴史の長い会社である「本間商会」の事業内容は、研削砥石・研磨剤・工場製品の小売りを主な業務としている。本間忠樹さんが社長に就任したのは2006年のことだ。

「BtoBの取引が95%を占める弊社だが、今後はBtoCも積極的に考えていきたい」と語る本間社長は、2000年の入社以来、創業者のご両親とともに、3人で「時代に合った仕事」を模索し続けてきた。

経営方針は「こだわりを持たないこと」

創業以来研磨剤に特化した会社だったが、本間社長は常に新しい世界に挑戦し続けてきた。

顧客先の工場が18時に終わると、その後の時間で異業種である光触媒メーカーなどに売り込みをかけてきた。

「あえてこだわりを持たないようにし、時代のニーズを読み取った商品を提供すること」を旨とする本間社長らしいエピソードでもある。

時代に合った売り方・時代に合った契約、
すべてが時代とともに変わっていく

「2002年には弊社の光触媒が、自動車メンテナンス会社に採用されました。その後も車関係の道具の開発はよく行っていて、一時はこれが非常に人気を博しました」。しかし本間社長は、常に「次」を意識していた。

このような車関係の需要は、いつかは終わると考えていたのだ。そのため、この車関係の商品をリリースし続ける一方で、新しい分野の機材の開発も進めていた。

それが、「バルゾー」である。この商品は、持ち運びができるバリ取り工具であり、毎分15,000振動以上の高バイブレーションで微細なバリを取り除く工具だ。

バリ取り装置は導入費用が高く、また納期も長くなる。そこをクリアするために「標準化」に注目し、低コストで短納期を実現させる方法はないかと模索し続けた。「お客様に納得していただけるのであれば、外観や仕様をある程度妥協することで、より高いニーズである『低コスト』『短納期』をクリアできる」という方針の下で開発されたこのバルゾーは、現在本間商会を語るうえで欠かすことのできない商品になっている。

なおバルゾーの開発においては、「中小機構」が大きな役割を果たした。中小機構のプランの一つとして、「事業分野が異なる2つ以上の中小企業が連携し、新規始業を行うことをサポートする」という「新連携の支援」がある。認定を受けるためには高いハードルがあるが、名古屋市新事業支援センターのミーティングで育んだ横のつながりを利用して、この認定を受けることに成功した。この「新連携の支援」によって得られた補助金を使って、バルゾーの開発を進めたのである。

バルゾーは日本において特許を取得し、特許第5006483号としている。
現在バルゾーは国際特許の移行手続きが終わり、アメリカ・タイ・中国でも特許が生きている。

「一般的な金融機関では受けにくい状態でも、
融資が受けられること」が金融公社の魅力

時流を読み、また現在の状況に甘んじずに新しい挑戦をし続ける本間社長に、公益財団法人名古屋市小規模事業金融公社(以下では「金融公社」とする)の魅力を聞いてみた。

「開発には、まず資金が必要となります。しかし開発したものが資金になるまでには時間がかかります。このため資金の融資が必要となるのですが、一般的な金融機関の場合、弊社のように『次から次へと新しい商品を開発していく』というスタイルは、基本的に受けが悪いのです。『結果が出ていないにも関わらず、いろいろやっている』として不安材料としてとらえられるのですね。しかし実際には、次から次へと商品を開発していかないと時代についていけない時代になってしまいます。また、会社を支える柱は多い方が良いでしょう」このような状況にあって資金面を助けてくれたのが金融公社だった、と本間社長は続ける。
「しかし金融公社は、事業計画を親身に聞いてくれて資金の融資を行ってくれました。
また、金融公社から名古屋市新事業支援センター(※名古屋市新事業支援センターは金融公社の真向いに位置する)へ、そしてあいち産業振興機構・中小機構へと複数の支援を受けさせていただきやすいのもメリットでした。2015年のナノテクノロジープラットフォームで、バルゾーがどのようにしてバリをとるかを、豊田工業大学の支援で写真・展示会で提示することもできました。新連携のときも、数値や写真を使えたことも大きいと思います」。

金融公社の担当者も語る。「新しい事業に挑戦される企業様を支えるのが、金融公社の使命です。ビジョンがあれば支えやすく提案もしやすいので、素人目でも効果が分かりやすいレビューをしていただけて助かりました。実際に私自身も、バルゾーに触らせていただきました。そのようなご縁もあり、『60年の節目には、ぜひ本間商会さんをご紹介しよう』と考えました」

今後は「職人が行える簡単な作業を、
代わりにこなせるロボット」の開発を目指す

今後の事業計画や目指す方向性はどのようなものかと質問したとき、本間社長は「職人が行える簡単な作業を、代わりにこなせるロボットの開発を目指し、空いた時間で技術の伝承をして頂きたい。」と返してくれた。

本間社長が今まで取引をしてきた顧客は、総じて技術力が高く、昔ながらの職人が多くいたということだ。彼らの技術はもちろん非常にすばらしく、受け継いでいくべきものではあるが、同時に今までの職人の世界は、「できることが当たり前」の世界であり、できるまで何度でも同じことを繰り返し教えられると本間社長は語る。このようなやり方の場合、技術を持つ職人が退職してしまうとその技術が失われてしまうし、また受け継ぐ人間も少なくなってしまう。このような状態を目の当たりにしたことが、冒頭で述べた、「職人が行う簡単な作業を、代わりにこなせるロボットの開発を目指す」という事業計画の基となっている。

「産業用のロボットは、電源とエアーを与え続ける限りずっと作業をし続けます。このようなロボットが、職人の行ってきた簡単な作業を代わりに行えるようになれば、作業現場は格段に楽になるでしょう。また、職人の技術の伝承のために必要な時間も確保できるようになりますから、ロボットで代替えが効かない職人技の伝達もスムーズに行えるようになると考えています」と本間社長は語る。

今後は海外展開の礎として金融公社を利用する考え
「新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延で方向性が変わりつつある」「今後は国内マーケットが縮小していく傾向があるかもしれず、自動車産業も大きく変わるでしょう。現在すでに海外展開をしていますが、今後は特にこの分野を伸ばしていきたい」と意欲的な本間社長に、今後の金融公社の利用方法についても聞いてみた。
「まだまだ目指すところは遠いと思っています。開発は手を止めたらそこで終わりです。まだまだできていないことや開発したいものがありますから、その実現に向けて、金融公社に相談に乗ってもらいたいと考えています」とのことだ。
「大きな目標を達成するために、小さなステップを刻むこと」が大切
最後の質問として、起業を目指している人に対するアドバイスをとお願いした。
「大きな目標を掲げるのも良いのですが、小さな目標の達成を数多くこなすことで中ぐらいの目標を達成することができるようになり、それがいずれは『大きな目標の達成』に繋がると思います。『あきらめず、今日できることを少しずつ行うこと』が大切なのではないでしょうか。 まだ発展途上の私が生意気な発言をして申し訳ないと思っていますが、私の経験から申し上げました。参考にして頂けると幸いです」
CORPORATE INFORMATION
会社概要
研削・研磨剤販売
省力化機器、治具設計・開発・製造
本社所在地名古屋市東区大幸4丁目12番12号
代表者本間 忠樹(代表取締役)
設立昭和48年7月2日
資本金300万円
社員1名
事業内容卸売業
|ARCHIVEMENT|
最近10年間の金融・経営相談実績
|ARCHIVEMENT|
最近10年間の融資事業実績

令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による経済へのダメージが危惧されるなか、無利子・無担保の新型コロナ対応融資など、国をあげた支援策が、多くの企業の資金繰りを支えたことにより、公社融資実績は対前年度比で大幅な減少となった。

| HISTORY |
沿革 -60年のあゆみ-
|OUTLINE|
概要
設立年月日
昭和36年4月4日(人格なき財団設立)
昭和40年4月1日(民法第34条による法人格取得)
平成23年4月1日 公益財団法人へ移行
所在地
名古屋市千種区吹上二丁目6番3号
名古屋市中小企業振興会館5階
TEL:052-735-2121
FAX:052-735-0400
基本財産
2億4千万円 (内名古屋市の出捐2千万円)
理事長
水野 裕之
役員
評議員
13名
理  事
8名(内常勤3名)
監  事
2名(非常勤)
会計監査人
1名
職員
35名(臨時職員除く)
事業内容
(1)小規模事業者等に対する金融・経営等に関する相談及び助言
(2)小規模事業者等に対する事業資金の貸付等
  • (ア)経営活性化の資金融資
  • (イ)成長応援の資金融資
  • (ウ)創業・事業展開支援の資金融資
  • (エ)商店街活性化促進の資金融資
  • (オ)ものづくり設備導入の資金融資
|ORGANIZATION|
組織
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